【ゼノサーガ3】part40~あなたを信じて~[エピローグ]

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まずは、前回パートの投稿からかなりの期間が空きましたことをお詫び申し上げます。

本パートは最終回。2ページ構成です。

世界の破滅は止まらない

シオンたちの健闘により、動きを止めるツァラトゥストラ。

しかし、ヴィルヘルムは言います。

自分が消えれば、アベルを封じることで防いでいた神の監視の目が開かれることになる。
そうなれば…

この世界は この宇宙は ー

 

結局、崩壊するということですね…

 

ケビンがヴィルヘルムとつながった状態でツァラトゥストラの暴走エネルギーを受けていたために、ヴィルヘルムは消滅を迎えようとしてます。

 

ケイオス
『君の言う通りかもしれない』

ヴィルヘルムはケイオスの答えを聞きながら消えていきます。

その声は、とても穏やかで、否定や苛立ちの感情はないようでした。

消え去る間際、ケイオスを見る表情は、わずかな微笑みを讃えているように見えます。

ケイオスの答えを肯定するように。

 

彼がラスボスだと思って乗り込んだら、世界の真理を語り散らかし、あっけなく消えていく最後に呆然。

彼の目的は僕の中間予想とは違い、神の力を手に入れることや世界を彼の楽園に作り変えることではなく、世界の崩壊を防ぐことでした。人間的な私利私欲を持たない態度や、痛みすら堪えない様子に、超人的な高貴ささえ感じます。本当にそういった感情や感覚がないだけかも知れませんが。

彼は下位世界の保護者であり、神からその役割を与えられて創られました。

ケイオスが宇宙のフェイルセイフとして創られたように。

神に逆らってさえ世界を護ろうとする彼は、“神への反逆者”でした。目的は異なりますが、その一点において確かにニーチェだと感じさせます。

いやいや!正直、まだまだ聞きたいことがいっぱいあるんだけど!

 

そして、ケビンもその時が訪れます ー

KOS-MOSがシオンに近づいたかと思うと、ペンダントを砕いた手をそっとシオンの視線の下に広げます。

ペンダントの中に隠されていたものに、シオンの目は奪われます。

ケビン
『最初から望んでいたのかもしれない』
『君に初めて出会った あの日から』
『今日が訪れる事を』

ふたりが初めて出会った光景が蘇ります ー

U-TIC機関の研究所の前で、シオンがケビンに水遣りの仕方を教えていたシーンがありましたね。

花びらは、シオンの育てた花のものでした。

かつて好感度マイナス100万点男子だったケビンですが、花でみんなを優しい気持ちにさせたいと言うシオンの姿に、彼が感じたもの。

それはひとつには、花で世界を変えたいという純粋さが、世界へ復讐を誓っていた彼に、心が洗われるような思いを与えてくれたであろうこと。

もうひとつ、ヴィルヘルムからシオンが聖女の巫女であることを知らされていたとしたら、シオンが導く未来に温かなものを感じさせたであろうこと。

 

ケビンは、その思いをずっと伝えたかったのでしょう。

そして今、愛する人を命を賭して守れたことに満足し、「あのとき君と出会って、今日別れが来ることが運命だった」と言っているんですね。

 

『すまない シオン』
『僕は 君を ー』

ケビンは、シオンを騙し、辛い目に合わせてきたことを謝ろうとしたのでしょう。

でも、シオンは首をぶんぶんと横に振ります。

『伝わってるよ 貴方の想い』

『貴方のおかげでこれまで歩いて来られた』

「え!?そうなの?KOS-MOSやみんなは!?」と思ってしまいますが、たしかに、シオンは終始「ケビン、ケビン」でやってきましたから、あながち嘘ではありません。

でも、シリーズ全編に渡って、ケビンのシーンは10%にも満たないような(笑)

 

『もう大丈夫だね』と言うケビンに、シオンは大きく頷いて見せます。

『世界が 君を待っている』

シオンは、姿が消えたケビンに『さようなら』と言葉を贈ります。


ケビン ー

良いやつだったのか
悪いやつだったのか

前パートでは、シオンをだまくらかして利用しようとする悪い奴だと完全に思っていましたが、彼がシオンを好きな気持ちは嘘ではありませんでした。

“シオンとともに永遠を生きたい”という彼の願い。

永劫回帰を果たし、世界を救うことで、シオンと幸せに生きられると考えていたのでしょう。
それしか、道はないと思っていた。

マリアの意識が変化したことを恐れて、KOS-MOSをT-elosで破壊しようとした彼は、ヴィルヘルムのように運命に縛られていたのでしょう。

しかし、シオンやKOS-MOSたちが運命を乗り越えようとする姿に、世界を信じる道があることを知り、ヴィルヘルムとともに世界を去る決意をしたのです。

そして、閉ざされた運命を切り開く力がシオンにはあると『世界が君を待っている』と言ったのでしょう。


 

ケビンとの別れに、感慨に耽るのも束の間

ツァラトゥストラが再び体を起こし起動を始める。

皆、あっと息を飲み、「もはやこれまでか!」と言わんばかりの絶望感。

 

しかし、ケイオスはツァラトゥストラを見上げ、なぜか『大丈夫』と言います。

― その意味とは?

ツァラトゥストラのコアでうずくまっているアベル。

彼のもとに、ネピリムが現れます。

ー そう

それが貴方の願いなのね

それを聞いて、頷くアベル。

 

アベルの願いって?
そして、ふたりの関係は?

 

光の中から、ネピリムとアベルが手を取り歩いて来ます。

神々の会話もケイオスには筒抜けのよう。

 

ネピリムからのメッセージとは ー

現在の状況について
ツァラトゥストラが再び起こした暴走は、集められたグノーシスの意識により起こっている。

世界を救うために
ネピリムとアベルは、ネピリムの中にその全ての意識を集め、この宙域ごとロスト・エルサレムに領域シフト(ワープ)させる。

しかし
領域シフトは、一時しのぎに過ぎず、宇宙の本当の崩壊は止められないと言います。

なぜなら、もともと宇宙を崩壊へ導いていたのは、ツァラトゥストラではなく、今宇宙で加速している散逸現象だからです。

宇宙全体で起こっているグノーシス襲撃、それは、”宇宙がなくなることを望む意識”が、感染し拡大していく様子として描かれています。

ここで、ロスト・エルサレムが地球であることが判明!

地球っぽい設定の星ではなく、やっぱり、地球だったんですね!

ネピリムは、意識の輝きのもたらす力は無限大であると言います。

人々がお互い(他者)を受け入れあい、世界を信じる(肯定する)ことができる、そんな未来を築くことができれば、世界は崩壊しないのかも知れません。

ケイオスの告白

シオン —
この宇宙を崩壊へと導いたのは君じゃない。

プレイヤーにとっては、アニマの器で聞き親しんでいる“アニマ”という言葉。

アニマを司るケイオスがその秘密を明かします。

ケイオスの力は封印されていた

12器のアニマの器。それはもともと、ケイオスの混沌の力(フェイルセイフ)の発動を防ぐために、マリアが彼の力を12個に分断し、封印したものでした

力を封印された彼は、混沌の力を失い、世界の傍観者として生きていました。

混沌と秩序の羅針盤の混沌のリングが光っていなかったのは、アニマの器が揃っていなかったからですね。

お察しの通りケイオスは人間ではありません、言うなればこの世界の混沌というシステムです。

ヴィルヘルムが下位世界の守護システムであり、ウ・ドゥが監視システムであるように。

だから、ケイオスは自分の存在が世界の崩壊を招いたと言っているわけですね。別に彼が意図的に世界を崩壊させようとしたわけではありません。

 

シオンのおかげでこの力を持つ意味が分かった

ケイオスもシオンやKOS-MOSと同じように、自分の意思とは無関係に特別な力を持って生まれた存在です。

フィフス・エルサレムにおけるネピリムとの対話で
『僕は、何の為に存在を許されているのか ー』
『全てがある一点へと流れゆくこの世界の必然なのかもしれない。』
と彼は語っていました。

穏やかで、他者を思う気持ちがある彼からすれば、その力はどれほど呪いであったことか。

“人の思いが運命を変える”と信じシオンたちを助けてはいたのものの、世界の真相を誰にも言わず黙っていたケイオス。それは、「本当は運命は変えられないのでは」と諦めに近い気持ちから、ただただ成り行きを見守っていたということなのかも知れません。

しかし今、ケイオスのアニマの力を使うことで領域シフトを行い、世界を救い仲間を助けることができます。

 

シオン『ねぇ、この宇宙はどうなるの?』

ケイオス達(ネピリムやアベル、KOS-MOS)が消えることで宇宙の崩壊は遅くなる。

けれども、遅くとも数万年後に宇宙は崩壊する

 

…おや?

…数万年後って。。。
まだまだ先ぃぃ!もはや気にしなくて良いレベルじゃ!?

…僕だったら耳をほじりながら放置しておくところですが。

否!世界を救う決心をしたシオンたちは事態を放置しておくことなどできるでしょうか!?

 

宇宙の崩壊を防ぐには、ロスト・エルサレムに眠る鍵を見つける必要があると言います

 

ケイオスは未来をシオンたちに託し、この場に残ることを、そして、別れが来たことを暗示します。

 

そして、KOS-MOSとも別れのときがやってきました。

シオンの頬をそっと撫でるKOS-MOS。

KOS-MOS『きっと また逢えます』

シオンはKOS-MOSに心が宿ることを待ち望んでいました。

シオンを悲しませまいとして言った、希望を抱かせる言葉。

それを聞いたシオンは、「ふっ」と喜びと悲しみをないまぜにして言います。
シオン『貴方らしくない 曖昧な言い方ね』

以前のKOS-MOSなら、「もう会えない」と言っていたかも知れませんね。KOS-MOSもシオンに再び会えると信じたいという思いがあったのでしょう。

KOS-MOS『今の私らしい言い方だと思います』

『行ってきます』、『行ってらっしゃい』と、いつもの目覚めの挨拶のように、親しい者が交わす他愛のない一言で、そしてそれは、彼女たちにとっては特別な意味をもつやりとりで、互いにかけがえのない存在であったことを伝えます。

領域シフト

ジンの操縦するE.S.アシェルに乗りシオンたちがこの場を去ったあと ー

さぁ 始めよう KOS-MOS
僕の力を解放して

KOS-MOSがアニマの器の封印を解くと、ケイオスの混沌の力が顕現します。

混沌の力は、ケイオスの体に重なるように消えていき、

もう一方、KOS-MOSから遊離したマリアの力は、KOS-MOSに戻るのかと思いきや ー

うん?
ネピリムの中に消えて行きました!

 

え!?

どういうこと?

ネピリムって、実はマリアの分身なの!?

 

ケイオスとネピリムの力にゾハルが共鳴すると、

方舟は巨大な十字架となり、宙域に秩序の力が広がっていき ―

彷徨さまよえる意識たちを導きます。

あ、そう言えばネピリムが自分の中に全ての意識を集めるって言ってましたね(笑)
だから、暗黙のうちに、KOS-MOSからマリアの力を受け取るという流れになっていたわけです。


【ゾハル考察】

「ゾハルってなんなんだろう?」
と、常々疑問に思っていました。

本作プレイヤーはみんな気になるところ。

僕の考えた結果、ゾハルは神の領域と人間の領域の接点なのではないでしょうか。

カバラによれば、上位世界には創造主がおり、そこから支配する力が下位世界へ広がっているとされています。つまり、神の力の流入口ということです。

ゾハルを使えば、神に選ばれし者たちは正しく力を引き出せるが、

人間が無理やり力を引き出そうとしたことで、局所事象変異が起き、ロスト・エルサレム、旧ミルチアなどの消滅が起きたのでしょう。

「なんでゾハルなんてものがあるんだろう?」と不思議でしたが、ゾハルがあることで人間たちの住む下位世界が存在できているのだと思います。

 

さて、シオンがネピリムに見せられた過去の映像、その中に神と思しき人物の周りに人々が集っていました。

ロスト・エルサレムが現実の地球と同じ歴史をたどったとすれば、聖書のように、キリスト(データベースでは救世主と記載)が奇跡の力で人々を導いた過去があるのかも知れません。

その場合、ゾーハルやグノーシス思想に基づくと、上位世界にいる神=至高神とキリストは別者です。

事実、ヴィルヘルムがゾハルの民が崇めた男を、神ではなく”ある男”と読んでいました。至高神であれば、”ある男”ではなく”神”と呼ぶのではないでしょうか。

かつては、人々に信仰の対象として、崇められ、信仰を集める役割を持っていたのでしょう。その時代、神と人間の関係は良好だった。

 

しかし、ゼノサーガⅠにてトゥルカナ湖に沈んでいた。

「なぜ、沈んでいたのか」

これは、いろいろ推測ができますが、

ツァラトゥストラが作られ、神の怒りを買い封印された。
神の力を巡る争いを防ごうとした人々が封印した。

というのが有力ではないでしょうか。


脱出するジンたちは ー

E.S.アシェルが出口へ向かう一方、無数のグノーシス達が古代神殿の中核に向かって飛んで行きます。

それを見たJr.はケイオス達が集めているからだと考えますが、モモは異変に気づき、
『嫌がっている ー』、『怖がっている ー』と言います。

もともと、他者を拒絶して生まれた存在ですから、意識が一つになることを拒む者がいてもおかしくはありません。

それを聞き、「戻らないと」と焦るシオンでしたが、ジンやJr.は自分達が託された役目を果たすことが自分たちの責任であると説きます。

 

領域シフトを試みるケイオス達のもとには、導きに抗うグノーシス達が集まってきました。

KOS-MOSはグノーシスからネピリムたちを守るように護衛を任されます。

 

ロープウェーのあるクレバスまでたどり着いた一行は、アシェルから降りていきますが ー

最後にシオンが降りたことを見届けたE.S.アシェルはゆっくりと岸を離れます。

気配に気づいたシオンは、ハッと振り返ります。

シオン『兄さん』

兄妹

ジンはケイオス達を助けるため、単身戻ることを決めていたのでした。

兄を引き止めようとする妹に、ジンは ー

 

貴方は一人ではない。

 

私は決していい兄ではなかった

お前に辛い思いばかりさせてきたね

 

すれ違いが多かった二人の関係。

シオンが幼い頃から、ジンは軍の特殊作戦部隊におり、シオンが18歳でヴェクターに入職後も、別々に暮らしていたことから、一緒に過ごすことが少なかった。

そして、過去のトラウマやウ・ドゥとの親和性に苛まれるシオンを、ジンはそれと関わらせないようにすることで守ってきました。

シオンが巫女の力に気づいてからというもの、ジンに対して「助けてくれない」と責めていました。

シオンは、いつも自分のことを考えてくれていたことは分かっていた、けど自分が素直じゃなかったと、泣きじゃくりながら謝ります。

ギクシャクして見えたのも、兄妹だからこそ甘えていたのでしょう。シオンは上手く気持ちを伝えられるほど器用ではありませんでしたから。

シオン『ごめんなさい ー 兄さん』

 

ジン『お前は私にとって 素晴らしい妹だ』

「お前は今まで辛い思いをしてきたから、目一杯幸せになる番だ」と、アレン君に妹を託します。

お兄様からお許しが出たぞ!アレン君!
(前々から出ていますが)

泣き腫らして赤らんだ頬や目がちゃんと描かれているのが良いですね。

 

 

私 本当はね

幸せだった

兄さんの妹で本当に良かった

 

中核へ戻るさなか、コックピットの中でジンは震える手の感触に耐えながら、そっと目をつむります。

ジン
『ー と 強がってはみたものの』
『やはり臆病だな 私は』

『さて 最後の一仕事』

脱出

その頃、曙光ではミクタムを中心に宇宙全体のU.M.N.が消滅していく様子を観測し、緊迫した状況を伝える声が慌ただしく響いています。

ミユキの「なんですってぇ」という声に、緊張の糸が切れる僕。

 

一方、エルザへと急ぐJr.たちですが、グノーシスの大群が行く手を阻みます。

シオンが背後を取られ、絶体絶命のピンチ!

 

そのとき!ヒロインに救いの手が!!

音量注意、動画サイズ:20MB
ここが、本パート一番の見どころと言ったら過言!

 

見よ!

これぞ、ケビンとの新旧彼氏バトルの試練を乗り越え、覚醒を果たした
アレン・リッジリー24歳!趣味は釣り!

もう、このシーンを見た誰もが

し、し、し、主任じゃなくて、
シオンと言ったぁぁぁぁぁぁ!!

と大歓声を上げ、祝杯をあげたことでしょう!

えぇぇ、グノーシス相手に、生身で特攻とか危ないって
と思ってしまいますが、

一皮剥けた彼にはもはやグノーシスも何のその!

どうです、さらりと手を差し出す仕草なんて、ずいぶんと男前じゃありませんか?!

シオンのハートはわしづかみにされたに違いありません!