「ゲームばっかりして、ゲーム禁止」
ゲームっ子の耳にタコができて耳が詰まって、ついには耳が聞こえなくなって(?)反応するのをやめてしまうこの言葉。
いままで、ゲームの表現内容が良くないという考えや学校の勉強への影響から親がそういうことを言っているのだと思っていました。
でも、実際に自分が親になり、「そうじゃないかも」と思った話を紹介します。
ただし、今回はゲームではなくテレビ禁止にしたことをお話します。
「ゲーム禁止」という言葉の真意は次のようなものと推測します。
ゲームに夢中になっている子供をコントロールするのが大変だから
ゲームが自分のやりたいことをする邪魔になるから
第一次「テレビ禁止令」発令
きっかけは、4歳の息子が動画サービスに夢中になったことです。
動画サービスと言えば、Youtubeなどの動画投稿サイトだけでなく、最近はアマゾン プライム・ビデオやNetflixなどの動画配信サービスも流行っています。
子供がまずハマったのがアマゾンプライム・ビデオ。次にハマったのがYoutube。
我が家はアマゾン会員なので、アマゾンプライムビデオやネットアプリがテレビ上で利用できるようになるFire TVという端末を使って視聴していました。
Fire TVを購入したのは子供が生まれる前だったので、何も問題はなかったのですが、暗雲が立ち込め始めたのが子供が3歳のときから。
アマゾンプライムビデオには子供向けの番組もあることから、純粋に子供が楽しんでくれればと思い「しまじろう」などの番組を見せるようになりました。
無料で見られる番組は限られているので、ひと通り子供の好きな番組を観終えると、Youtubeに移行。
Fire TVはYoutubeも観ることができます。
Youtubeでは、子供向けの歌や踊りの動画や、おもちゃの紹介動画を夢中で見るようになりました。
特に気に入ったのが、プラレールを組み立てて走らせる動画で、「〇〇のやつが見たい」と特定の配信者の名前を覚えて指名するほどの熱中ぶり。
そこで子供がどうなったかと言えば
- 朝起きてから夜寝るまで動画三昧
- 「見せて」とひっきりなしにねだる(リモコンの操作は自分でできないので親が操作)
- 見せないと駄々をこねる
- 途中で消そうとすると怒るので、「あと1つ」、「あと10分」などの交渉が延々と続く
口をついて出たのが「テレビばっかり見て、テレビ禁止!」
これを言いながら、「あー、僕の親はこういう気持ちで注意していたんだな」と実感しました。
と同時に思ったのは、やめさせたい理由が思っていたのと違うということです。
子供が生まれるまでは、子供の情緒や学業への影響から注意をされているのだと思っていましたが、4歳ぐらいの子供がテレビを観ることについて言えば違いました。
コンテンツが子供に与える悪影響を心配するというより、自分がその環境にさらされることで感じる不快さの方が大きいのです。
- ずっと、リビングのテレビを占領されて、自分の見たい番組を見ることができない
- ずっと、映像や音が流れていて気が休まらない
- 見せないと駄々をこねて、いちいち、なだめるのに苦労する
- おすすめ動画が次から次へと表示され自動的に進むため、終わりがないという絶望感
こんな生活が1年以上続いたでしょうか。
奥さんと「中毒になっているから、どうやってやめさせようか?」という話に何度もなり、我が家の第一次テレビ禁止令を発令する運びとなりました。
いくら泣いて暴れても、見せない
これを徹底し、
とうとう、我が家ではFire TVを使うのをやめました。
最初は禁断症状が出ていましたが、日がたつにつれて落ち着き、数ヶ月後には見たいと言わなくなりました。
でもまあ、自分で見せておいて、見過ぎたら怒るというのも親の勝手だなーと思います
現在は、子供にお気に入りだった動画の話題を出しても「見たい」と言わないほどで、Fire TV禁止令は解除しています。
この記事を読んで、「テレビを独占されるのが嫌ならスマホやタブレットで見せれば?」と思われた方がいるかも知れません。
テレビで見せるとデメリットもありますが、子供の状況が把握しやすいというメリットがあります。子供はリビングの真ん中にいることになるので、いつ・何を見ているか。子供がどんな状態かが一目瞭然です。
携帯デバイスの場合は、子供が見ている様子が分からない、動画のチャンネル登録や広告を誤って触ってしまうなど、知らないうちに何が起きているか分からないという不安要素があります。
何より、子供でも持てるほど小さく、タッチ操作で簡単に操作できてしまうので、執着心が芽生えやすいのではないか?という点も心配。
携帯デバイスを与えるのは、もっと大きくなってからですね。
読者のみなさんへのアドバイス
僕と同じ子育て中の方々には、
動画サービスを一旦見せてしまうと、幼い子供は見たい気持ちをコントロールすることができないので、結局親がコントロールすることになります。
子供が動画に釘付けになっていれば、家事や趣味の活動がはかどりますが、後々そのツケを払うことになるでしょう。
反対に、まさに動画サービスやゲームにハマっていて、親に注意されているという方々へは、
家族の共有スペースでテレビやゲームで延々楽しんでいることで、親や家族の生活を邪魔しているのではないか。と気にしてみて欲しいということです。
僕が子供の頃は親のことを気にかけていませんでした。しかし、自分が親になってみると、仕事でクタクタになって帰ってきたあとに、延々と興味のないテレビや音楽が流れていたら気が休まりません。
たとえば、演歌が好きじゃない人が延々と演歌を聴かせられたら辛いですよね。
もう一つ、大人になったら遊びたいという欲望がなくなるんだと勝手に思っていましたが、実際は、大人になっても自分の好きなことをして楽しみたいという気持ちは子供の頃と変わらないんだなーと分かりました。
家族とどう時間を過ごすか、家族で話し合ってルールを決めるのが大事ですね。
少し分かった「ゲーム禁止」の気持ち…でも本当の気持ちを知るのはまだ先か
僕のブログでは、いままでゲームの表現による悪影響や学力への影響、暴力性への影響などを調べ、それらについては問題ないということで安心していました。
それこそが親がゲームを禁止する理由だと考えていたからです。
しかし、実際は「ゲームばっかりされていると自分が楽しめない」、「やみつき状態の子供を管理するのが大変」という、どちらかと言えば自分の生活を乱されることへの心配の方が強いかも知れないと気づきました。
ただし、小学生になればテレビやゲームを自分で操作できるようになるでしょうし、ある程度、自制心が育ち自己管理ができるようになると思うので、親への直接的な負担は減るでしょう。
また、観るコンテンツは、4歳ぐらいであれば幼児向け番組なので、内容を心配する必要はありませんが、徐々に様々なものを観るようになるだろうことは想像に難くありません。
さらに、教育という面では、小学校へ入れば勉強への影響を心配する必要が出てきます。
そういったことからは、僕が子供時代に味わった「ゲーム禁止」の本当の気持ちを知るのは、まだ先かなーと思います。
子供が成長したとき、親としてテレビやゲームなどのメディアに対してどう感じるかはまた変わってくるでしょう。
はたして今後、第二次禁止令が発令されるのか。子供とメディアとの付き合い方にどう向き合っていくのか。追って報告したいと思います。