旅に出ると言って聞かないおてんば姫(シオン)が城から抜け出したもので、側仕えの従士(アレン君)が「姫様お待ち下さい」と言ってお供する。だいたいそんな話。
ミルチア市街
シオンの父スオウ・ウヅキを追って、ミルチア市街に来たシオンとアレン君―
街中には多くのU-TIC機関兵が配備され目を光らせています。
アレン君はなんで、連邦軍が一気に攻め込まないのか疑問を持ちますが、シオンは次のような理由があると言います。
連邦の主力はレアリエン部隊であるが、U-TIC機関はレアリエンを暴走させる手段を持っている。(ネピリムの歌声:もし後で出てきたらそのとき説明します)
ミルチアには民間人がおり、ゾハルがあるため、恒星間兵器を使うわけにいかない。
とは言え、U-TIC機関に余裕があるわけではなく、臨戦態勢に入っていると思われます。
そんな状況下で、兵士たちはさぞかし高圧的で無愛想なことだろうと思っていたら、
めちゃくちゃフレンドリーでした!!
U-TIC機関兵に潜入取材
第一村人(U-TIC機関兵)のディーズさんにお話をうかがいます。
…そうしたら、しゃべるわしゃべるわ、吹き出し7個に文字びっしりなものですから、内容を要約して説明します!
□ボタンの会話加わりシステムと返答を選択できるシステムの相乗効果で、プレイヤーがとことん会話にのめり込める至高の会話システムです!
U-TIC機関の開発したレアリエンの暴走事故が星団中で多発しており、それをU-TIC機関の反乱として連邦は鎮圧作戦を行っている。
連邦の本当の目的は、U-TIC機関のヨアキム・ミズラヒ博士の研究資産を独占したいのだと思われる。
ところで、ディーズは『マーグリス司令の指示を待つばかりだ』と言っていますが、実はかなり問題発言です。
なぜなら、現時点では、マーグリスは連邦軍大佐であり、U-TIC機関兵を指揮しているというのは明らかに反逆行為です。
街の入り口に、こんなおしゃべりを置いといて大丈夫?
しかし、U-TIC機関兵が一様に、戦争に賛成なわけではないようで―
ダイクは、人類の未来を考えたら、民族的な確執による争いは無意味なのではないかと考えています。
カルロスは、ミルチアの自立に力になりたいと思いU-TIC機関兵に志願したが、ミルチア国民の中でさえ、旧教主国民(移民船団)と連邦からの移民の間で出身による差別があり、連邦へのヘイトでまとめられているに過ぎない状況に、違和感を覚えています。
他にも、狂信的な者、U-TIC機関に不審感を抱く市民と様々な意見があります。
本作は充実した背景設定とそれを生かした交錯する価値観を見事に表現しています。
また、ディミトリ・ユーリエフについて話している者も―
ハイウェイが言っている“ヤツ”というのは、ディミトリのことです。
「ザルヴァートル派」という、用語にめまいを起こす方もいらっしゃると思うので説明します!
まぁ、本作では日常茶飯事ですが(笑)
ディミトリもザルヴァートル派の人間であり、Jr.やガイナンなどのU.R.T.V(遺伝子操作によって造られた生体兵器)を開発しました。
以前のパートで、ディミトリがザルヴァートル派の議員を操作するというエピソードがありましたが、彼はザルヴァートル派のカリスマ的存在です。
ポーの言う「ウチラの機動兵器」とは、おそらく、天の車(モモの開発プラントであり、現メルカバのモデル)とそれに搭載されたネピリムの歌声およびプロト・オメガ(オメガのプロトタイプ)のことだと思います。
「エネルギー供給元のリンクを断つための生体兵器」がJr.を含めたU.R.T.Vのことです。じゃあ、”エネルギー供給元のリンク”って何か?というと、”ウチラの機動兵器”はゾハルのエネルギーを動力にして動きますが、兵器とゾハルをリンクさせるものが、実は、ウ・ドゥです。
U.R.T.Vはウ・ドゥを消滅させるために開発されましたが、その結果は、悲惨なものでした。
また、ポーはシオンが連邦のネズミではないかと聞いてきます。
正直者のシオンは、ついつい上の選択肢を選んでしまいますが、
冗談だととられてお咎めなし(笑)
ミルチアに連邦のスパイが潜入しているという噂(シオンたちのことではない)がちらほら聞かれ、疑ってくる兵士はポーだけではありません。
これまた、『貴様!一体何者だ!?』と聞かれたら、包み隠さず答えるのが筋というものです。
しかし、ディグビルも物事を悪い方向へ考えないポジティブ人間で、疑うだけ疑っておいて、「れ、連邦のスパイだと!?…じょ、冗談はよしこさん…(白目)」という脳内緊急会議が、すみやかに安全な着地点を見つけ出した(現実逃避)ようです。
ハラミヤアイス
商店街にいる女の子に声をかけると、街で人気のハラミヤアイスについて聞けます。
「絶対触っちゃいけない??」
しかし、僕は知っているのです、
製作者は「触れ!触らんと天罰が下るぞ!」と言っていることを。
そのゲーム伝統の教えに忠実な僕は、アイス売りのおじいさんが乗るキッチンカーに目を輝かせずにはいられなかった。
ということで、皆さんに“無限ハラミヤアイス”をお届けします!
シオンがいちいち、横を向くところがこれまたツボ
ラビュリントス
ラビュリントスを訪れ、シオンは駐車場に停めてある車を片っ端から粉々に破壊したあと
施設に入ろうとしたところ、警備兵に止められます。
もちろん、車を破壊したからではありません。
シオンとアレン君はIDを確認されます。
事故車に乗っていた輸送隊ということで事情を聞かれますが、
アレン君の「気を失っていたから大丈夫でした」という、三文芝居にあっさり騙される警備兵。
U-TIC機関のザルすぎる警備で、連邦のネズミが2匹正面玄関から堂々と侵入することに成功。
記憶の中の病院
シオンは幼い頃、病気の母親を見舞いにこの施設に通っていました。
僕も病院のつもりで訪れたのですが、
アレン君は、“病院にしてはおかしい”と違和感を覚えシオンに問いかけると、シオンもそうだったようで―
シオンは、子供の頃病院だとばかり思っていたこの施設が、病院などではなく研究機関であり、被験者(実験の対象者)を集めた管理棟だと気が付きます。
アレン君は、エンセフェロン(仮想空間)内でこの施設を見ており、シオンの事情も知っています。
病院でなかったとすると、シオンの母親が入院していた理由は…
と考えると、シオンは胸中穏やかじゃないでしょう。
シオンはエレベーターに乗り、研究棟4階中央管理部へ行きます。
そして、研究室に入ると―
ヨアキム・ミズラヒ博士を目の前にして、呆然とするふたり。
そりゃ、大事件を起こしたとされる人ですから、歴史上の偉人、はたまたテロリストのリーダーと出会った気分に違いありません。
ただし、シオンたちのヨアキム博士に対するイメージは、悪者というより謎の人物に近いと思われます。
ヨアキム博士にせっつかれながらも、なんとか当意即妙に仕事をこなすシオン。
さすがシオン、切れ者!
ヨアキムは行っている実験について、次のことを語ります。
被験者の恐怖を制御し、ゾハルへの接続実験を行う
どうやら、人間とゾハルをリンクするために、
被検者とアニマの器をリンクさせる、さらにレアリエンを仲介させてゾハルへの接続を試みているようです。ややこしい…
要は、人間がゾハルとリンクするためにはアニマの器とレアリエンという二つの媒介が必要ということですね。
アレン君は、「アニマの器はE.S.の動力炉じゃないのか」と言いますが、シオンは、「E.S.の動力炉というよりは人とゾハルの仲立ちであり翻訳機のようなもの」だと言います。
そうこうしていると、被検者リストの中にシオンの母親の名前があることに気付き、驚くばかりでしたが、
ヨアキム博士がシオンの背中に容赦なく追撃を加えます!
『助手のケビン・ウィニコットを呼んできてくれ』
シオンたちは気持ちの整理もつかぬまま、言われるまま部屋を出て、ケビンを呼びに行きます。
もちろん、プレイヤーも驚き
アレン君は『ケビンさんがこんな場所にいるなんて、聞いたことありませんよ?』と言います。
シオンも元彼の経歴は知らなかったようですが、ヴェクターでの鬼才っぷりのルーツがミズラヒ博士の助手をしていたことにあったなら合点が行くと言います。
15年前のケビンは一体何をしていたのでしょうか。
次回【パート20】
前回【パート18】