2024年6月22日(土)
ファン念願のライブイベントが開催された。
MOTHER2 30周年記念ライブ「MOTHERのおんがく。」
発売されてから30年も経ったMOTHERの音楽イベントが今頃になって開催されるとは思いも寄らず、その衝撃と言ったら、瞳孔が100%散大(あの世いってますね)し、チケット販売開始時間をすかさずスマホのカレンダーに通知機能付きでメモったほどです。
職場でスマホを触る同僚に「けしからん」と普段冷たい目線を送っている僕も発売開始時は同僚の話も上の空でスマホと格闘していて本当に人間の弱さというものを身を持って知ることとなったのです。ぷぅ。
MOTHERおんがくの生みの親の登場
MOTHERの音楽って最高ですよね!Snowman、Eight Melodies、いやいややっぱりクラーケン戦のテーマは脳汁がっ・・・
うんうん。MOTHERの音楽が素晴らしいのはもちろんです。
もちろんですが、なにが最高ってですよ。
MOTHERの音楽を作曲した鈴木慶一さんと田中宏和さんの姿、トーク、演奏を見れたこと!
僕は1989年生まれで、MOTHERとともに育ってきたMOTHERネイティブ世代です。
ゲームはもちろん最高に好きなんですが、MOTHERの音楽が好きで、地元のTSUTAYAのレンタルCDコーナーにあった、「MOTHER」、「MOTHER2」、「MOTHER1+2」のサントラを見つけてからは、鼓膜が擦り切れるぐらい聴きました。(大丈夫。まだ僕の耳は聞こえてます)
サントラに記された作曲家、鈴木慶一さんと田中宏和さん。
「これがMOTHERの素晴らしい音楽を作った方々なんだな」と思いはしましたが、この漢字4文字以外に得られる情報は特になく、(当時はネットの情報も乏しかったですし。)、存在は謎に包まれていました。
それが!MOTHERっ子が大人になってから、拝見拝聴する機会を得ようとは!
さながら神の御姿を初めて目にした信徒。
興奮絶頂でした。
トークでは糸井重里さんや酒井省吾さんを交えて、当時の貴重な作曲のエピソードが繰り広げられます。
MOTHERの音楽が特別な理由のひとつ。クラシック的ではなくポップミュージック的であること。
MOTHERのゲームが特別な理由のひとつとして、中世の西洋的な世界ではなく現実的な世界であることがありますが、それと同じように音楽でも伝統的なゲーム音楽に則らなかったことはMOTHERが唯一無二である所以ですね。
聴き逃がせなかったのが、鈴木慶一さんのイギリスでのMOTHERアルバム収録のお話。
僕の記憶が曖昧ですが、確かにMOTHERのアルバムのブックレットには、海外で曲を作成したということが書かれていて、豪華だな~と思った記憶があります。
てっきりアメリカで作ったと記憶していました。
じゃあ、どうやって作ったんだってところが不思議だったのですが、なんとホテルでオーディションをしたそうです。
女の子にギタリストにホテルに招いて収録、その光景を想像しながらゴクリ。
このアルバムですが、学生当時の自分にとってゲーム音楽のヴォーカルアレンジというもののインパクトがすごかったことを忘れません。
「「えっ?!ゲームの曲に歌がつくの?!」」
あの興奮は言葉でちょっと言い表わせないですが、人生で奥さんに初デートしてもらったときの次ぐらいの喜びの大きさだったのかも知れない(ちがうか?)。
独りですげー!すげー!すげー!を連発してました。
歌詞が英語というのもすごかった。
「そこまでゲームの設定を踏襲する?!」
今ならGoogle翻訳で一瞬で訳せる歌詞も、当時は英語の辞書をめくって拙い翻訳をしながら、原作の世界観そのままの歌詞に感銘を受けたものです。
トークでも伝説の話として盛り上がっていたので、やはり初代MOTHERのアルバムは奇跡の作品だったんだなとしみじみです。
SMILE AND TEARSに歌声
知っている人は知っている。MOTHER2のエンディングテーマ「SMILE AND TEARS」には歌詞が存在します。
僕もMOTHER2のサントラのブックレットに書いてある歌詞を曲にあわせて口ずさんだものですが、初代MOTHERのようにヴォーカルアレンジされていないことがやや惜しい感じがしました。
それが、2024年ついに歌声が乗って耳に入ってくるではありませんか!?
歌うのは坂本美雨さん。やわらかくあたたかい歌声。
MOTHERの雰囲気にぴったりの歌手さんでした。
少年時代に叶わないと思っていた望みをこの時間差で叶えてもらえるなんて思わないですよ!
きっと僕と同じような思いをしたファンの方は多いはず!
鈴木慶一さんの「I miss you」もいい!
たしかにぼくはMOTHERの世界を冒険した
トークにて田中宏和さんがMOTHERを当時プレイした少年たちのことを「あの世界がほんとうにあると思って生きている人」と表現しています。
僕はゲームブログをやっている中でゲームの体験は現実の体験にほかならないと思っています。
MOTHER TONZURA BANDの演奏を聞きながら、「ああ、僕は少年時代にたしかにMOTHERの世界を冒険したんだ」と納得に近い思いをしました。
マザーズデイやオネットがほんとうに存在しているわけではありませんが、僕はアドベント砂漠や魔境をたしかに冒険しました。
MOTHERのゲームに触れている期間で言えば、10年近い年月をMOTHERとともに過ごしたわけです。
そこでは主人公の家の近所からなかなか進めなかったことから、はじめて仲間ができて並んで歩いた心強さ、戦車やダンジョン男を乗り回したワクワク感、あのときあの場所で心に浮かんだ感情のひとつひとつは本当にあったわけで、じゃあこれとリアルな体験は何が違うのかなと考えます。
MOTHERを遊んで、嬉しかったことおかしかったことジーンときたことは、実社会の思い出と同じく自分の心のアルバムに綴られています。
だからこそ、「僕は少年時代日本にいたけれど、MOTHERの世界にもけっこういたよ」と自信を持って言えます。
今回のイベントは、
MOTHERにとって音楽が切り離せない要素だったこと、大好きな音楽とその作曲家の方々の質量が結び付けられたこと、そして自分にとってのMOTHERの特別さを噛みしめる素晴らしい体験となりました。
HOBONICHI MOTHER PROJECTの皆様、糸井重里さん、鈴木慶一さん、田中宏和さん、TONZURA MOTHER BANDの皆様、かつてのMOTHER少年の夢を叶えていただき本当にありがとうございました!!
おまけ
このイベントで行われた粋な演出には、画面血眼でしっかりスマホで撮りましたとも。