【ゼノサーガ3】part27~復讐者~[7章]

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[前回のあらすじ]
ラビュリントスに囚われのシオンを助けるのは、スオウか!?ジンか!?いいや、アレンだ!(違います)というお話。シオンはスオウに少女シオンを助けることを約束する。

ミルチア市街

ミルチアでは既に連邦とU-TIC機関の戦闘が始まっており、上空では銃撃が飛び交っています。

モモ『危ない Jr.さん』

Jr.たちの頭上から撃破された戦闘機が墜落してきて、モモがJr.をかばう形で間一髪回避

撃墜した犯人(E.S.アシェル)が飛び去っていく様子を見て、Jr.が腹を立てて文句を言います。
それを聞いた、ケイオスが一言。

『ごめん ―』

[補足]
15年前ケイオスは、カナンとE.S.アシェルに乗っていたので、犯人は15年前のケイオスです。
ケイオスとカナンはヘルマー(当時星団連邦軍中将:ジンの上官)から、U.R.T.Vの保護を命じられ、ミルチアに出動します。
その真意は、U.R.T.Vがウ・ドゥと接触することで精神崩壊を起こし、ゾハルの暴走を引き起こすことを防ぐためでした。
「ネピリムの歌声」で、ケイオスたちはJr.とガイナンを発見し、二人を救出します。

 

ミルチア市街では、連邦兵やU-TIC機関兵がうろついています。住人の姿はほとんどなく、街中が破壊されています。

シオンはアレン君の言葉通り、思う存分暴れて、敵をスッキリ殲滅しました

ハラミヤアイスの販売車には、おっちゃんと助手の女の子が倒れており、最期の言葉をつぶやくと息を引き取ります。

なんてこった…。彼らだけでなく、風船を取り返してあげた男の子も死ぬので、ショックが大きいです…。戦闘に巻き込まれたのか、もしかすると戦闘型レアリエンに襲われたのかも知れません。

シオンたちは市街をあとにし、古教会へ向かいます。

謎の男の正体

前回パートで、エレベータ前にいた謎の男がいましたが、瀕死の状態で倒れており、話しかけると「フェデラル・リポート05」をくれます。

さて…ここで彼の正体が明らかに!

ええと、

『ワシのベストプレイス(安らぎの場所)』

・・・

物陰に隠れていた

・・・

エレベーターに乗った女性が上へ昇って行ってた

・・・

それを下から眺めて、安らぎ…!!!
こいつ!のぞき!!

だから見つかったあと、無言で立ち去っていたのね。

死に際の言葉がこれとは、なんて清々しい紳士だ。

というか、絶対にプレイヤー分からないでしょ!?みなさん、分かりました?

ジンよ、なぜ彼に調査リポートを託したのか…

古教会

フェブロニア&バージル

古教会ではぁぁぁぁあああああバージル!!!!

なーに、フェブロニアに膝枕してもらってんの!?

はじめあれだけ強情張っておいて、今じゃすっかり手懐けられたワンちゃんですよ!

 

話は、レアリエンのことに移ります。

バージル『― お前は戦わないのか?』

バージルは、レアリエンは平気で人を殺す戦闘マシンだと信じていたことを語ります。

レアリエンは自分の意志とは関係なく、命令に従って戦っているに過ぎません。
というのは、ラビュリントスで出会うレアリエンは、普通の人間と同じように物事を感じ、考えながら過ごしていることからも分かります。

バージル『お前は、どこか違うような気がするな ―』

臭いが違うと聞くと、「あぁん?口説いてんのか?膝枕してもらってるからそざかし良い香りがするんだろうな!なにのろけてやがるんだ!」と思ってしまいますが、これは、smellスメルの臭いじゃなくて、雰囲気って意味ですよね。

フェブロニアの言うハーフとは、彼女がトランスジェニックタイプであり、生体と機械とのハーフという意味でしょう。

以前、バージルが担ぎ込まれたときに、その話はありましたが、彼は気絶していたので知らないんですね。

バージルがようやく心を開き、ふたりは打ち解けることができました。

 

そこへ、教会の扉を勢い良く開け放ち、少女シオンが駆け込んできます。

シオンは、ネピリムの歌声によって暴走したレアリエンの群れに追われて、教会に逃げてきました。

 

シオンめがけて武器を振り下ろそうとするレアリエン。

バージルが体を張ってかばいますが、あっけなく払い退けられてしまいます。

すると、フェブロニアが二人の前に立ち塞がり、バージルにシオンを連れて逃げるように言います。

「もしかして、フェブロニアが戦うのかな?」と思いましたが、彼女は襲いくるレアリエンにまったく無防備に、戦うどころか抵抗する素振りさえも見せず、されるがままになぶられます。

バージルがレアリエンに押さえつけられ身動きがとれない中、フェブロニアは胸を一突きにされ絶命します。


[考察]

この光景はシオンとバージルにとって、ひたすらトラウマとして残り続けます。

前作において、このできごとはシオンの思い出したくない記憶として、ずっと伏せられてきました。

親の愛情を受けることができなかったシオンにとって、フェブロニアは姉であり母親のような存在だったと考えられます。

そりゃ、幼少期にこんな無惨な光景を目の当たりにしたら、ショックは計り知れないですよね。

プレイヤーとしても、あまりにも無抵抗に殺される姿に、「え・・・」と言葉を失うようなシーンです。他のゲームだったら、非力なりにも必死に戦う展開になりそうなものですが…

そうしなかったのは、フェブロニアのレアリエンでありながらも、自分は決して戦わない、人を幸せにするために生きるという意志、それが本物であることを描くためでしょう。


バージル『てめぇらはこんな事の為に ―』

人間俺達と同じ』

レアリエンでありながら人を生かすためにフェブロニア、対してこのレアリエンたちは平気で人を殺している。

人間も正義のため、国のためなど理由をつけて、戦争で人を殺し、それが正しいと信じている。それを自らが軍人であるバージルはフェブロニアとの出会いによって、矛盾していることに気づきました。

だから、これは、自分の本当の気持ちなど考えたこともなく命じられるまま人を殺すことを正義と信じる人間と、フェブロニアと同じレアリエンでありながら我を忘れ、あるいは命令に従い人を殺しているレアリエンを重ねているのでしょう。

と、書きつつ、プレイ中は「うん?どういう意味?」と分かりませんでした

バージルは、少女シオンにラビュリントスへ抜けるキーを渡し、彼女を逃します。

 

ここで、ようやくシオン(大人)たちが到着し、シオンはフェブロニアの無惨な姿を見て、怒りの突撃。

~レアリエンと戦闘になりますが、瞬殺で葬ります~

レアリエンを蹴散らしたあと、バージルはフェブロニアの亡骸の前で嘆きますが、ふと、少女シオンに危険が迫っていることに気づきます。

レアリエンは個体の情報を共有できるため、ここで仲間が破壊されたことを知ったレアリエンがやってきて、少女シオンが襲われかねません。

少女シオンを救おうとするバージルを見て、シオンは一瞬考えたあと、彼に”あるもの”を渡します。

レアリエンには兵器としての管理上の都合から、自爆用のコードが設定されており、コードを使用することで自爆させることができます。シオンはヴェクターで働いていたため、レアリエンの設計に詳しく、そのコードを知っています。

そして、バージルの予想通り、すでに教会は仲間の破壊を察知したレアリエンが迫っていました。

『俺を置いていけ ― この身体じゃあんたらの足手まといになる。』と言うバージルにシオンは構わず肩を貸し、『弱気な事 言わないで』と懸命に出口に歩を進めます。

で、仲間たちは、

ジギー『まずい、シオンこのままでは囲まれるぞ!』⇨逃走
ジン『シオンこちらへ、表の敵は少ない、突破しますよ!』⇨逃走
モモ『シオンさん、急いで!』⇨逃走

おーい!!!みんな警告ばかりしてないで、シオンに手を貸してあげて!!!!と僕が心の中で全力で叫ぶ

そうこうしていると、バージルはシオンを教会の外へ放り出し、教会の内側から扉を閉ざします。

『頼む あいつの事 守ってやってくれ』

バージルは自爆コードを起動し、自らを犠牲にしてシオンたちを救うことを決断しました。

本来バージルはミルチアで死なないはずですが、シオンたちの行動により過去が変わっています。

 

シオンは灰燼かいじんと化した教会の中で、悲しみに暮れていると―

テスタメントのバージルが現れます。

彼は、フェブロニアの死体の前で、

バージル『俺に何の責任がある?』

さっきまで、シオンたちを守ろうとしたバージルとは一転し、フェブロニアの死をあざ笑うバージルに、シオンは怒りますが、

バージル『だから、レアリエンをなぶり殺しにした?』

[補足]
シオンとバージルは、ゼノサーガ(エピソード1)の物語のはじめに出会います。レアリエンを道具だと罵るバージルに対し、シオンはレアリエンも人間と同じ人格があると反論します。バージルはグノーシスを倒すために自爆コードを使って仲間のレアリエンを爆弾代わりに殺し、シオンがショックを受けるシーンがあります。だから、前作プレイヤーにとって、自爆コードとバージルは浅からぬ因縁があり、今シオンたちがいる世界で人を救うために自爆コードを使ったバージルと、本来の世界で命を粗末に扱うバージルとの違いに「過去が違えば、違うバージルもあり得たのかも知れない」と感じさせられます。

ここからバージルがラスボスの風格でセリフの乱れうちをします。心してください。

シオン『やめて!違う ― そうじゃない!』

バージル
『何を恥じる?それこそが人の本質だ。』

『破壊こそ他者への探索行為、自己の確認行為として機能する。』
『そして、本能に抗えぬ自分を慰める為、贖罪を見出そうとする。』

『俺はその言葉通り存在しようとした ―』

『レアリエンを解体し、無機物に意識を夢想してきたお前だ。』
『父親への憎しみ、母親が殺された事への怒り、惨めな自分を慰める行為。』
『罪の意識から逃れたいだけで、したくもない事をしているだけ。』
『偽善者 ― なんとお前に相応しくない言葉だろう。』

僕「え!?なるほど、分か、わからぁぁぁ…あん!!!」僕の脳がブレイク状態

…で流すわけにはいかないので、考察しました。


[考察]

バージルは、シオンが本心ではレアリエンを殺したいと思っていたはずだと言います。

バージルは、レアリエンへの復讐者としてレアリエンを殺してきました。その目的は、フェブロニアの喪失感を埋めようとし、彼女のような存在を探し求めていたのかもしれないし、自分の運命を翻弄したレアリエンへの復讐者として、自分を確認する意味があったのかもしれません。
バージルは破壊者として生きることを決めたのでしょう。

シオンにとって『惨めな自分を慰める行為』とは、レアリエンを解体すること*1であり、その行為を正当化するため、レアリエンを哀れみ守ることが彼女の贖罪だったと考えます。

過去のミルチアに来てからというもの、シオンは父親への怒りから、また、母親の死を否定したいという気持ちから奔走しています。しかし、実際にはすでに両親を失ったシオンには、現実をどうすることもできないままに生きてきました。だから、“過去”から目を背けるため、レアリエンに執着することで気を紛らわせ自分を慰めていたと言えます。

結局のところ、レアリエンに執着することが過去に対する復讐の代替行為であり、同時に過去からの逃避というシオンの罪であり、両親の有機的な愛情を受け損ねた自分を慰める行為だったと考えられます。最後のセリフは、お前は偽善者どころか立派な復讐者だと言っているのではないでしょうか。

もうひとつの解釈としては、シオンは母親を殺したレアリエンへの憎しみを抱いており、潜在意識の中でシオンはレアリエンを破壊し復讐したいと思っている。だが、その思いに蓋をして、自分はレアリエンが好きであると思い込んでいる。だから、『惨めな自分を慰める行為』であり『贖罪』が、自分を欺きレアリエンに尽くすことを指しているとも考えられます。こちらの解釈の方が僕のフィーリングに合っていますが、『父親への憎しみ…』の一文が”レアリエン”ではなく過去の事象を指しているため、復讐の対象は”過去”であると考えます。

どちらの解釈で捉えるかで、『なぶり殺しにした』の意味合いとしてレアリエンに対し積極的に憎しみを孕んでいるか否かが変わってきます。ただ、バージルがシオンの神経を逆撫でする目的で言っているように感じるので、このセリフ自体はまともに捉える必要はないと思います。

*1.シオンはレアリエン技術分野は専門外でありながらレアリエンへの造詣が深い。おそらく幼少期のミルチアでの出来事が起因していると当然想像される。しかし、レアリエンを解体する姿を作中でみたことがないため、この表現がバージルのあてつけととるか、事実ととるか判断が難しい。

シオン『あなたに私の何が解るっていうの!』

バージル
『解るさ。俺とお前は同類だからな。』
『復讐でしか、俺もお前も己を律する事は出来ない。それが真実だ。』
『希望なんてものはな、現実という朝暘ちょうよう*の前には夜露に等しい存在なのさ。』
『この俺がそうだった。』
『意識の限界だ。全てが閉塞したこの世界の限界なんだ。』

*朝陽:朝日のこと

バージルは希望があまりにあっけなく奪われる現実の無常さを思い知り、絶望し耐えられなくなったと言っているのだと思います。

バージルは、フェブロニアを失ってから希望を見いだせなかったのでしょう。
何日も何年も蓄積された絶望がバージルの心を蝕み、テスタメントのバージルを生んだのかも知れません。

このセリフ、哲学的な表現に終始しているため、なかなかプレイしながら理解するのは難しいです。しかし、こういった表現を味わうのが本作の楽しさですね。

シオンはバージルにテスタメントがつきまとう理由を聞くと、バージルはケビンの話を持ち出し、シオンを仲間に勧誘します。

シオンはバージルの言葉に揺さぶられそうになっているのをジンが制します。

ジン『シオン!彼の話に耳をかしてはいけない!』

~ここで、戦闘に突入します~

バージル戦

バージル
『全力でかかって来いよォ!』
『コイツは手加減を知らねぇからなァ!!』

開幕「オーバーテイカー」

バージルの後ろにグノーシスのようなものがついていますね。
テスタメントはグノーシスに近い存在なんでしょうか?

バージルに近接攻撃をすると、反撃(リベンジ)してきます。

そして、必殺技「ヴィクティムヘイル」がやばい!

威力大、ほぼ一発でブレイク、全体攻撃

こりゃ、低レベルクリアの挑戦時に積むタイプのボスですね。

ヴィクティムヘイル;victim hail(?)とは、ひょうの犠牲者
間違ってたらすみません

モモで全力回復しつつ、ピヨリつつ、少しずつ攻め、

Jr.の必殺『レクイエム』でフィニッシュ・ストライク

救済

戦闘が終わると、教会に声が響きます。

『お願い これ以上 シオンを惑わせないで』

不意に現れたフェブロニアの意識体にバージルは怒りを向けます。

最初「あれ?フェブロニア死んでたのに復活したの?」と思いましたが、ここで出てきたフェブは、15年前に死んだフェブでしょう。

フェブロニアはバージルに、『貴方は誰も憎んでいない』、『憎しみを持てない自分を否定したいだけ』だと告げます。

さっき、あれほど復讐者だと威勢を張っていましたが、己を欺いていたのはシオンよりもむしろバージルの方だった?

バージルは核心をつかれたのか、言葉を尖らせます。

フェブロニアは、バージルがテスタメントになったのは、再び彼女に会いたいという思いがあったからだと言います。

確かに、エピソード1でバージルが事切れるさなかに、フェブロニアの名前をつぶやきます。

バージルは、”世界に希望などない”という形で世界を肯定してきました。

しかし、フェブロニアは世界に希望はあると言います。

フェブロニア
『私達は 混沌より生まれる 新たな秩序を信じたいだけ』
『私達の想いひとつで世界の色は 未来は変わると信じたいだけ』

バージル『俺を残して死んじまった女が今さら何を』

「混沌」「秩序」、本作のキーワードですね。
世界に絶望しかないように思えても、信じること(想い)で世界の在り方は変えられる。それが、本作のメッセージなのでしょうか。

そして、『俺を恨んでいないのか』というバージルに対し、人間とレアリエンという境遇の異なるふたりの間で生じた、心の繋がりという奇跡に救われたことをフェブロニアは告白し ―

バージルが押し殺してきた本当の感情に気づいたとき、光が現れ、ふたりは光の中へ歩いていきます。

フェブロニアに『行かないで』と呼び止めるシオンに、フェブロニアは「自分を信じて心を開くように」と言います。

『ありがとう シオン』


あらら、

どうやら、

まさかの、

ここで、

バージルさんゴールインと相成りました。

 

E.S.がロスト・エルサレムへの鍵だと予想していましたが、これでE.S.ナフタリの搭乗者がいなくなってしまったので、「E.S.大集合からのロスト・エルサレム転送」という予想が外れたみたいです。

それにしても、テスタメントは最終局面まで居ると思っていましたが、早くも一人脱落しましたね。

これから、どう展開するのかまったく読めません!

 

ただ、今回のパートから、本作の核心がシオンの過去からの呪縛にあることは確かなようです。

ラビュリントスへ

古教会を出たシオンたちは、少女シオンを追って森の奥にあるラビュリントスへの搬入ゲートに向かいます。

レアリエンに囲まれていた少女シオンを救い出し ―

母と父を助けたいという少女シオンの願いを聞き、シオンは一緒にラビュリントスへ行くことに決めます。(もちろん、独断) Jr.『おい、シオン!?』

次回、ラビュリントスへ


次回【パート28】

【ゼノサーガ3】part28~グノーシスの巫女~[7章]
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前回【パート26】

【ゼノサーガ3】part26~ふっとべ!アレン君!~[7章]
[前回のあらすじ] ラビュリントスに捕らえられたシオンは、マーグリスらと熱い尋問に興じていた。シオンを助けるために、漢アレンが今立ち上がる!! ミルチア市街 謎の男とエレベーターガール シオン救出に向かった一行は、ミルチア市街地で 噴水の設...