大ファンである哲学作家、飲茶さんの哲学本「体験の哲学」が2021年に出版されました。飲茶さんと言えば刃牙(?)ということで、範馬裕次郎がオーラを放つ帯。次々と脳天に稲妻をくらわす格言の数々。惚れました。
体験の哲学では、いろいろな体験を列挙したチェックボックスつきの体験リストが載っており、やったことのある体験にチェックをし、やったことのない体験を一望して使えるようになっています。
体験リストには「食べる、着る、行く、する」などの項目があり、例えば、食べるという項目の中に、1ページにつき150個ぐらいの食べ物の名前が19ページに渡って記載されています。
「世の中にこんなにいろんな食べ物があるんだ…」と驚き
そもそも、何のためにそんなチェックリストが用意されているのか?
本書では、「人生は体験の束である」と述べられています。
まぁ、人生、生まれてからいろんな体験をして生きていくのですから、体験が自分自身(自己)を作ると理解してください。
その上で、これからどう生きるかに視点を向けたときに、
そんな代わり映えのない日々を想像したときに、自分の体験の束は太くなっているのでしょうか?あるときから…最後の生活の転換点である社会人になってから、人生の束の太さが変わっていないかも知れません。
そこで、本書では、未体験のことに目を向け、新たな体験をしようということでチェックリストを勧めています。
今回は、後者の体験の幅を広げるアプローチに着目し、ゲームライフに活かそうということで、このチェックリストのゲーム版を作成してみました。
で、実際作ってみたところ、これが大変
数万個あるゲームソフトの一覧を作るのは並大抵のことではありませんでした。
本記事では、ゲームリストの作り方とともに、作ってみての反省点や皆さんへのアドバイスを交えて紹介していきたいと思います。
ゲームチェックリストの作成
1.参考にするゲームソフト一覧を探す
今まで発売されたソフトを全部網羅するとなると、ギョッとしますよね。
でも、全ソフトの一覧を見るだけなら簡単にできることが判明しました。
Wikipediaに「ゲームのタイトル一覧」というページがあり、おそらく全ゲームのタイトルが載っています。
ここでは、ゲームのハードごとにまとめられた、「プラットフォーム別一覧」を使用します。
2.一覧を写す
まずは、ゲームチェックリスト作成の一番手のかからない方法。
1.一覧をそのまま印刷する
ただし、ページ数が数百ページと膨大になるので、あまり現実的ではないかなと思います
次の方法は、手がかかりますが、あとあと使い勝手が良い方法。
2.表計算ソフトを使用する
手がかかると言っても、一覧表を作ること自体はそれほど難しくありません。
Wikipediaのタイトル一覧をコピーして、シートに貼り付けるだけです。
3.表計算ソフトで一覧を作る
参考に僕のやり方をご紹介します。
1.ハードごとにシートを分ける
例) 「ファミリーコンピュータ」、「スーパーファミコン」など
2.発売年、発売日、ゲームタイトル、ジャンルの行を作る
Wikipediaの情報には上の4つの情報が載っています。ハードによっては、オンライン機能など他の情報も記載されています。
1つ問題点があり、箇条書きで記載されているものと表の形式で記載されているものが混ざっています。
もともと表形式で記載されているものは、そのまま貼り付ければ、ちゃんと項目毎に行が分かれて貼り付けられます。
しかし、箇条書きされているものは、手動で項目ごとに分ける必要があります。
別に、項目ごとに分かれていなくても構わないという方は、そのまま使えば良いでしょう。
でも、直したいという方は、まさか、手入力で直していくのは正気の沙汰ではないので、ソフトの機能を駆使しましょう!
3.スペースの位置で分割
箇条書きの一覧は、
という体裁で書かれています。
ここで、エクセルなら「区切り位置」、スプレッドシートなら「テキストを列に分割」という機能を使います。
発売日とタイトルの間に必ずスペースがあるので、分割処理をしたい行を選択し、分割位置を“スペース”にすることで、下のように分割できます。
4.(カッコで分割
次に、分割位置を”(”カッコにすると、下のように分割できます。
5.以降は同様に
分割位置を”)”カッコ閉じとすることでメーカー名の後ろについた余計な)を分割できるので、その後要らない行を削除すれば完成です。
”、”(読点)で区切られている場合は、読点で分けてください。
以降は、同様の方法で情報を分割していき、最後に不要な行を消しましょう。
実際に作ってみての反省点
項目が発売日とタイトルとメーカーだけだと、どんなゲームか知る手がかりがタイトルしかありません。これじゃ、まだ出会っていない面白いゲームを探すのは難しいと思いました。
僕の理想的な一覧は、
タイトル、ジャンル、パッケージ画像
が分かると良いかなと思います。
とは言え、パッケージ画像をとってきて、シートに貼り付けて、体裁を整えるのは難儀です。
いつか時間があったらやりたいというくらいですかね。
チェックリストをチェックしてみよう
1.項目の左か右にチェック用の行を作ります
僕は、
- プレイしたことがある
- クリアしたことがある
- やってみたい
の3項目を作り、チェックの代わりに○をつけました。
チェック方法はみなさんのこだわりのポイントです!
例えば、既プレイ、未プレイだけでなく、今後やるつもりはないというチェックをつけておけば、やりたいゲームを探すときに、フィルター機能を使って”やるつもりはないゲーム”を省くことができます。
また、クリアの基準も、クリア、未クリアだけでなく、積みゲー、全シナリオ攻略、トロコンなど細かく分けることができるでしょう。
そして、やってみたいだけでなく、既プレイだけどもう一回やりたい、反対にもう二度とやりたくないなど、印象で分けるのも良いかも知れません。
2.集計
チェックが終わったら、ソフトの機能を使ってババッと集計しましょう!
「エクセル」、「スプレッドシート」どちらも
=countif(セルの範囲,条件)の関数が使えます。
例えば、○でチェックした場合は、条件のところに”○”を入れれば、選択した範囲内にいくつ○があるか瞬時に数えることができます。
“←ダブルクオーテーションマークも必要なので入れてください。
僕の集計結果
プレイした作品は約220本でした。(クリアした作品は約140本)
正直、100本さえいかないと思っていたので、倍の200本以上プレイしていたことには「えっ!?意外とやってる!」と目を疑いました。
プレイ本数でゲーム愛が語れるわけではありませんが、「なるほどゲームが好きなわけだ」と妙に納得しました(笑)
こういう機会でもなければ、今まで何作プレイしたか数えることはないですよね。
また、チェックしながら
「この作品続編が出てたんだ!」
「昔欲しかったけど、買えなかったんだよなー」
「これ、フォローしてる人が紹介してたやつだ!」
と、発見や、やりたかった作品を思い出すことがありました。
子供の頃を懐かしんだり、心に引っかかっていた記憶を掘り出すのもチェックの楽しみです!
ゲームチェックリストの使い方
ゲームチェックリストを作る目的は、体験の幅を広げること!
具体的には、自分がまだプレイしていない作品がどのくらいあるか実感することと、やってみたいと思う作品に目星をつけることです。
僕の既プレイの作品数は先程述べた通りですが、全体から見れば僅かな作品しか遊んでいない”ひよっこ”であることを悟りました。
これが分かっただけでも、一歩前進です。
さて、やりたい作品をチェックしたら、表計算ソフトのフィルタ機能を使えば、チェックをつけた作品だけを表示させることができます。
一覧にして、やりたい作品がいっぱいあるのを見てワクワクしましょう。
僕は”やりたい作品”というシートを作って、やりたい作品をまとめました。
「自分を待っている作品がこんなにあるんだ」と思い眺めているだけで、至福のひととき。
やりたい作品は37作見つけられたので、これからはその中からプレイしていけば良いことになります。
さらなる活用法として、
やりたい作品に順位をつけると、どの作品から遊ぶか計画的に決められます。
例えば、今後、新たに遊びたい作品が登場したときに、「新作だからやる」というのではなく、その作品がやりたい作品一覧のどの順位に入るのか、もっと今遊びたい作品があるのではないかなど検討できます。
次々現れる新作タイトルに目を奪われて、いつまで経っても本当に遊びたい作品が遊べない、そんな危険を防ぐ手立てになるでしょう!
実際に作ってみての反省点
難点として、途中でも書きましたが、
タイトルだけ見ても、それがどんな作品か検討がつかないせいで、やりたい作品は結局、知っている作品とそのシリーズになってしまいがちということです。
シリーズを制覇するのも良い経験ですが、自分のゲーム感といいますか、ゲームに対する造詣を深めるには、経験したことのないようなプレイ感やストーリーを味あわせてくれる作品と出会いたいものです。
そのためには、ひとつひとつの作品を内容まで確認してチェックをすることが理想ですが、ものすごーーーーーーーーーーーく時間がかかります。
タイトルだけ見てチェックするのでさえ、2週間かかりましたから。その数倍時間がかかると考えると…
僕が思いつく限り、現実的にできそうな方法として
- 「名作」、「隠れた名作」など検索して、誰かのおすすめ作品を参考にする
- ジャンルで絞込み、やったことのないジャンルからやりたいゲームを探す
- 手近なところから始める(今PS5で遊んでいるなら、PS5で自分の新境地を開拓する)
などが良いのではないでしょうか。
ジャンルで絞り込む場合は、「ニコニコ大百科」でジャンルごとに分けたゲームの一覧が載っているので、ジャンルから探す場合に便利です!
また、好きな監督や作曲家が携わった作品を検索するのも手です。
さいごに
今回は体験の哲学にならい、ゲームの作品のチェックリストを作りましたが、ゲームに関する自分ならではのチェックリストを作るのも良いと思います。
- 自分の住んでいる地域にあるゲームセンターのチェックリスト
- 全国のゲームファン向けの店チェックリスト
- ゲーム音楽のチェックリスト
- ゲームセンターCXの聖地チェックリスト
などなど。
さまざまな体験が人を形作るように、いろいろなゲーム体験を重ねることで、自分というゲーマーが形作られるんだと思います。
一生ゲームをするつもりであれば、自分のゲーム体験を知り、未体験を知るためにチェックリストを作っておいて損はないでしょう。本書を読んでゲームリストを作ったのは僕しかいないような気が(笑)
では、皆様素敵なゲームライフを!
【参考書籍】
体験の哲学
[商品リンク]
【関連動画】
次の記事の中で、体験チェックリストを活かしたやりたいゲームリストの作成を勧めています。