ゲームを能動的に遊び幸福度をアップするには

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本記事では、ビデオゲーム(以下、ゲーム)は能動的な遊び受動的な遊びかについて考え、どうすれば能動的に遊ぶことができるのかを書きました。

はじめに

考えるきっかけとなったのは、 樺沢紫苑『学び効率が最大化するインプット大全』、『精神科医が見つけた 3つの幸福』にて、ゲームは受動的な趣味として、挙げられていたことです。

著者は、遊びはエネルギーであり、幸福の源であるとして、

「日本人はまじめすぎ!だから幸福度が低いんだ!日本人よ、もっと遊べ!」
と積極的に遊ぶことを勧めています。

ただし、遊びであればなんでも良いかと言えば、そうではなく、受動的な趣味より能動的な趣味で遊んだ方が良いとしています。

下に、本に記載された趣味の分類を示します。

能動的な趣味の例:読書、ボードゲーム、スポーツなど
受動的な趣味の例:テレビ、ゲーム、スマホ

これを見ると、なんとゲームは、受動的な趣味に分類されています。

ゲーム好きの僕としては「え!?ゲームは能動的じゃないの!?」と驚きました。

なぜなら、プレイヤーがコントローラーを使ってコンピュータにはたらきかけて遊ぶビデオゲームは能動的な遊びのような気がするからです。

実際、本サイトの記事「ゲームでポジティブになれば人生が上手くいく」にて、ゲームは能動的な遊びであり、人をポジティブにし、能力をアップさせるとして紹介しました。

ゲームは受動的な趣味?

なぜゲームは受動的な遊びとして挙げられているのでしょうか。

本書では能動的な遊びと受動的な遊びの違いを、次のように表現しています。

能動的な遊び:”目標設定があり、集中力が必要で、スキルも必要とする”
受動的な遊び:”ほとんど、集中力を使わず、スキルも必要としない”

さて、いかがでしょうか。
「いやいや、ゲームは達成目標があるし、集中力が必要だし、スキルも必要でしょ」と思うところですよね。

にも関わらず、受動的と見なされた理由には、”ゲーム自体の設計”と、”プレイヤーの環境”が大きく関わっています。

まず、ゲーム設計として、

  • 疲れていてもできる。集中力を要しない。
つまり、誰でもクリアできて、手軽に、楽しめるように作られていること。特に、暇つぶしにやるようなスマホゲームでは、当てはまりがちだと思います。

そして、プレイヤー側の要因として、

  • 暇つぶしに遊ぶ、現実逃避のために遊ぶといった、消極的な理由で遊んでいる場合が少なくないことが考えられます。
「他に何もしたいことがないから、ゲームでもして時間を潰そう」、「仕事、学校で上手くいっていないから、うさ晴らしにゲームしよう」といったネガティブな理由です。

著者はそのような遊び方では自分の能力を高めることにつながらないとして、そのような負の側面に対する警告として、受動的な趣味としたのでしょう。

 

ではなぜ、能動的でなければいけないのか。

「3つの幸福」には次のように書かれています。

能動的な遊びは、
集中力を高め、
自己成長を促し、
フロー(充実した瞬間)に入りやすい。

そして、日々の生活をより魅力的にし、
人生の幸福度を高める。

つまり、人生の質を上げて幸せに生きるためには、能動的に遊ぶ必要があるのです。

ゲームも能動的な趣味になる

じゃあ、ゲームは受動的だからダメな趣味かといえば、諦めるのはまだ早い!

趣味への取り組み方を変えることで、能動的になると書かれています。

それは、能動的な趣味の3条件“目標設定、集中力、スキル”の必要を満たすことです。

そのために、「3つの幸福」では、趣味をアウトプットせよ!と書かれています。

アウトプットの例として、

  • RPGなら、ストーリーを深く味わうために、プレイする度に、感想を紙に書き出す。
  • 格闘ゲームなら、強くなるために、ライバルと戦い、試合のフィードバックをする。また、リプレイを見て、対策を練る、反省点をまとめる。
  • ゲームを自分の得意分野に活かす方法として活用する。
    ~得意分野:何かを作ることが好き、音楽が好き、実況するのが好きなど~

つまり、学んだこと・感じたことを外部に表現する・発揮することです。

僕の例にとらわれず、自分ならではのアウトプットをすると良いでしょう。

ゲームのアウトプット法については、「ゲームのアウトプット術」にまとめました。

 

アウトプットのイメージをつかんだところで、最初にすべき大事なことは、目標を設定することです。

なんでもアウトプットすれば良いのではなく、アウトプットと自分の目的が一致していないと意味がありませんからね。

たとえば、ゲームのアクション性を楽しみたい人が、ストーリー考察を始めても、楽しくないでしょうし、充実した時間とはならないでしょう。

目標設定の方法

では、目標を設定するために、まず、自分自身のゲームを遊ぶ動機を考えてみてください。

ここで、ゲームはステージ毎に達成目標があったり、クリアや完全攻略などもともと目標が設定されているのに、なぜ自分で考える必要があるのか不思議に思われるかも知れません。

僕の考えでは、目標をゲームの攻略目標と同じにした場合、あまり「この作品を遊んだことは自分の人生にとってすごい価値があった!」と感じることは少ないように思えるのです。

だって、「ゲームをクリアするためにそのゲームを買った」なんてことはないですよね。

目標はゲームに与えられるのではなく、自分の興味関心から生まれるものです。

なんでそのゲームを買ったのか、そのゲームの何が好きなのかに目を向けたほうが、自分にとってのゲームをする目標が見つかると思います。

<目標設定の例>

動機として、

  1. フィクション世界への没入が好きだから。
  2. アクションゲームが得意だから。

などがあるでしょう。

そして、

  1. の場合なら、ストーリーやキャラクターの心理について、考察して、感想を書く
  2. の場合なら、高難易度のテクニックが必要な挑戦課題をクリアする。また、スコアがあるなら、何点以上を取る。

といった、具体的な目標を立てます。

あとは、定めた目標に向けて集中してプレイすれば、おのずとスキルも磨かれるというわけです。

 

付け加えておきたいのですが、目標がゲームの攻略と関係なくても構わないと思っています。たとえば、友達とつながるためにゲームをするなら、目標は友達とコミュニケーションを楽しむことでしょうし、ゲームの曲を演奏することが好きな人なら、目標はゲームの曲を多く聴くことでしょう。

人と話すこと、コミュニケーションをとることも立派なアウトプットです。

さらに言うと、ゲームの攻略目標が自分の目標と関係ないなら、攻略する必要はないと思っています。僕の場合、ゲームにふんだんに設定されたクエストや称号(トロフィー)を見て、その中でも「これをやることが目的で遊んでいるわけじゃないし、やったときを想像したときにまったく面白いと思わない」と感じるものは攻略しません。

もし、社会人で時間がないなら、なおさら、自分の動機と目標をしっかり見据えて遊ぶことが大切ではないでしょうか。

フローについて

これにて、皆さんも能動的にゲームができると思いますが、記事の途中で紹介したフローについてちょっと、お話しておきます。

フローとは、幸福心理学の祖「チクセントミハイ」が提唱した概念であり、物事に没頭したときに感じる高揚感、また「ゾーンに入った」というときのゾーンと言った方が分かりやすいかもしれません。

フローは、明瞭な目標があり、チャレンジ(挑戦課題)とスキル(挑戦者の能力)のバランスが良いときに起こりやすく、完全な集中状態を生み出すとされています。

平たく言えば、スキルに見合った挑戦が適しているということ。

お気づきの通り、フローが訪れやすい条件は「3つの幸福」の能動的の条件と一致しています。つまり、能動的な趣味はフロー状態になりやすいということです。

そして、もう一点重要なことは、チクセントミハイ氏は、フロー体験こそが人間の幸福であると語っています。

幸福論に足を踏み入れるのはちょっと、腰が引けますが、少なくとも、研究結果では、フロー状態に入りやすい能動的な活動をしていた人は受動的な活動をしていた人よりも

集中力、自尊心が高く、自分のしていることが将来の目標と関連している

とみなす傾向があることが分かりました。

<参考:チクセントミハイ『フロー体験入門―楽しみと創造の心理学』>

「3つの幸福」では、フロー状態をいろいろな幸福物質が体に溢れる状態として、理想的な状態として述べられています。

 

では、ゲームをしていてフロー状態に入れるかという問題がありますが、それは心配いらないでしょう。

ゲーム好きなら、時間を忘れてゲームに熱中した経験があると思います。

僕も、食事をするのも忘れて、ゲームをやっていたことが何度もあります。

それもそのはず、ゲーム研究の書『ハーフリアル: 虚実のあいだのビデオゲーム』では、チクセントミハイ氏のフロー理論が紹介されています。

挑戦に対しプレイヤーが感じるある種の楽しさとして取り上げられています。(楽しさのすべてをフロー理論で説明できないとも記述されています。)

ですから、ゲームの設計者はプレイヤーがフローに入りやすいようにゲームを作っていることは十分に考えられます。

ただし、これは、ゲームがプレイヤーに与える挑戦ですので、やはり、自分の目標を意識して、挑戦に挑む意味がどのくらいあるのかを考えると良いでしょう。

そして、自分の目標とゲームの挑戦課題の関連性が薄いときは、あまり魅力的な体験はできないかも知れません。

さいごに

僕自身、過去に目的意識のないままゲームを遊んでいました。それは、ゲームが好きだから、とりあえず、色々ゲームをやって、とりあえず、クリアしようといった遊び方です。

その結果、社会に出てから、ゲームで得たものは社会生活の役に立たないな、ゲームばかりしてきたから人生上手く行かないんだ、とゲームを恨む気持ちになったことさえありました。

しかし、今ではそれは間違っていて、自分がゲームを遊ぶ理由がはっきりしていれば、人生の役に立つと信じています。

『ゼノサーガⅢ』という作品では、作者のメッセージをできる限り読み取ることを目的に、メモ用紙を片手にプレイしながら、感情が動かされたり、気づいたことを逐一メモしています。さらに、作品設定に関係ありそうな本を10冊以上読みました。

『キルラキル ザ・ゲーム 異布』という作品では、コンボや戦略をメモするのはもちろん、ゲームで人とつながるという目的を持ち、海外のDiscordコミュニティに参加して海外プレイヤーと交流しています。

集中力が上がったかは分かりませんが(笑)、確実に自己成長できましたし、人生の目標とゲームの目標が結びつくことで、人生が充実してきたと感じています。

ぜひ、みなさんもゲームをする動機を考えて、目標をもってみていただけたらと思います。

 

ゲームは、自分次第で能動的な趣味になります!

みなさんもよいゲームライフを!


【参考書籍】

精神科医が見つけた 3つの幸福 最新科学から最高の人生をつくる方法

学び効率が最大化するインプット大全

ハーフリアル: 虚実のあいだのビデオゲーム

フロー体験入門―楽しみと創造の心理学

【参考動画】Youtubeにて樺沢紫苑先生の考えを聞くことができます。

「良質な遊び」とは?【精神科医・樺沢紫苑】
遊びにもっと貪欲になろう!【精神科医・樺沢紫苑】

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