今回ご紹介する書籍は、科学雑誌ニュートンの『Newton 2023年3月号』
本誌の記事のひとつでゲームが取り上げられています。
記事のタイトルは「ゲーム・eスポーツは脳と体に何をもたらすか」
脳と体への影響が心配されるところですよね
eスポーツと書かれているだけあり、取り上げられているソフトは競技性のあるものが中心です。
でも、内容としてはeスポーツ系のゲームをやっていない人でも興味深く読めますのでご安心ください。
大まかな内容
下に小見出しを一覧で紹介させていただきます。
- 暴力的なゲームが凶悪事件を引きおこす?
- ゲーマーは不健康という誤解
- 運動するとゲームが強くなる!
- ゲームと運動でことなる脳の鍛えられ方
- 疲れを感じない長時間プレー
- ゲーム練習を長時間行うと睡眠の質が低下する
- ゲーム障害はギャンブル障害と同様
- ハイパフォーマンスには栄養学も重要
- 「きずな」を生むゲームのプレースタイルとは
- 高齢者の健康維持に活かせるか
- eスポーツの未来
どうでしょう?
この小見出しだけでも俄然興味が湧いてきませんか?
ゲームの三大批判と言えば、
「暴力」、「学力低下」、「不健康」でしょう。
記事では「暴力」や「学力」、特に「健康」に関するさまざまな最新の科学情報が得られます!
ひとことで健康と言えども、
- 運動
- 脳の機能への影響
- 睡眠不足
- ゲーム障害
- ゲームのパフォーマンス向上について
- ゲームと幸福・ストレス化学物質
など幅広く言及されています。
昔から言われている運動不足だけでなく、近頃の話題である脳機能や睡眠、脳内化学物質などに触れられており、これだけの内容を一気に知ることができるというのは拍手喝采ものではないでしょうか。
これだけのことを実際に論文を検索して調べようと思うと、途方もない時間がかかります。
科学研究というと小難しいような気がしますが、ひとつひとつの内容も短く、ページ数はたったの9ページ(p.90~99)なのでサラッと読めます。
ゲーマーであれば、自分のゲームライフを見直し、より良いゲームの遊び方を考えるきっかけになるでしょう。
月刊なので、翌月になると書店に置いてないかも知れませんが、ネットで購入できます。
(追記)ニュートン別冊『スマホ脳と運動脳』でも同じ記事が読めます。
個人的にニュートン雑誌は電子書籍よりも紙の方がおすすめです。
[商品リンク]
Newton 2023年3月号
スマホ脳と運動脳 (Newton別冊)
興味深かった内容
特に興味深かった内容は、ゲームとパフォーマンスに関するものです。
本誌ではフィットネスバイクで15分運動してから20分休憩をとったのちゲームをすると、ゲームが上手くなるという研究結果が書かれていました。
偶然にも、当ブログでも運動をするとゲームが上手くなるかを調べたことがあります。
フィットネスバイクで運動した直後、横スクロールアクションのスコアは変わらないけど、音ゲーが上手くなるという結果がでました。
感覚的にも運動後はゲームの調子が良い気がするので、格ゲーの大会に出るときには決まって開始前にフィットネスバイクで運動しています。
ですから、本誌を読んで自分の調査の正しさが裏付けられたような思いでした。
また、ゲームのプレイ時間が1時間まではパフォーマンスを高めるが、2時間や3時間におよぶと低下することが書かれています。
これも、自分自身格ゲーをやっていて、1時間までは調子が良いけど、それを越えると調子が悪くなると感じ、長時間プレイしないようにしています。
最高のパフォーマンスが発揮できる状態を把握してゲームを遊ぶのも、学業や仕事、家庭に忙しいゲーマーにとっては時間術のひとつでしょう。
さいごに、研究論文に書かれたことを知識として知ることも大事ですが、自分の経験や第三者の意見(書籍など)から得られた知識と比較して、その情報の確からしさを判断することも科学的知識との付き合い方として重要なのかも知れませんね。
【余談】
当ブログでは、ニュートン雑誌からの引用を多くしています。
とは言え雑誌を購読しているわけではなく、「ニュートン別冊」というひとつのテーマに絞って書かれたムック本が好きで、気になるテーマのものを見つけては買って読んでいます。
本記事で紹介した『Newton 2023年3月号』に出会ったのはまったくの偶然でした。
『新・ビジュアル古生物事典』というテーマのニュートン本が発売されたと知り、
「大昔の生物かっけぇ!アルマロカリスアノマロカリスかっけぇ!!絶対買う!!」
とウキウキワクワクしながらTSUTAYAに行ったものの、その本だけない!😱
悶々としながらニュートン本を物色していると、目に止まった500号記念誌。
パラパラめくってみるとゲームの特集記事があり、しかもゲーム批判でおなじみの内容について解説がされていたので、レジに直行しました。
こういう本との出会いがあるから本屋通いはやめられない。